前世療法と原因と結果の法則

『魂のみがきかた』という新刊を出しました。著者は医師であると同時に、前世療法、インナーチャイルド療法の豊富な症例経験を持ち、前世療法の世界観から導き出される心の癒し方、生き方の法則を研究してきました。その集大成となる書籍です。

前世療法とは催眠状態で過去世へ退行

前世の記憶を思い出すことで、さまざまな現実の問題解決のヒントをえるセラピーです。さまざまな心の問題の解決法をスピリチュアルな視点から見直すためのきっかけを与えてくれるものです。善因善果、悪因悪果というのは仏教用語ですが、前世療法ではこの法則どおりの経験を多数みます。そこで善について考えて見ましょう。私達が善と考えて物事を行うときに、時として間違うことがあります。政治の世界などでしばしばある話です。良かれと思ってしたのに悪い結果になる場合、結果的に人が苦しんだ場合、それはどんな因果になるでしょうか。残念ながら苦しめた分は自分に帰っていきます。それを聞くと、善を行うのが怖くなることがあります。誰でも間違うことがあるからです。しかし、こう考えてみてはどうでしょうか。善には大善、小善、偽善の三つがあります。子供が余りに泣くので飴玉ばかり食べさせる母親の善は小善になります。後で虫歯になるからです。ふだんは保護しても時には厳しく我慢をさせるバランスが大善になります。目指すべきはここです。大善の場合、一見すると善だとわからないこともあります。一方、「偽善」は、心根が愛でないので大きな善因になりません。善を行う時、偽善を避け、小善を退け、大善を目指す方向性を持たねばなりません。常にわが身を振り返り、自分の今の言動は小善ではなかったか、大善であったかを省みる心がけが必要です。そしてずれていたら、ぱっと基本に戻るのです。愛とは「人に喜んで頂けますように」「人が幸せになりますように」という情感ですが、大愛と小愛が存在します。神の大愛などといいますが、大いなる愛があるがゆえに時に厳しき試練を与える場合もあります。父性的愛情で、我が子に試練を与える愛情もあります。いつも保護しているだけの母性的愛情だけでは、魂が磨けないのです。仏教でいうと、慈悲(じひ)という言葉の慈が母性、悲が父性です。仏が試練を与えるときは、心で悲しんでおられるのです。本人の成長のためにされるからです。

因果応報は無慈悲?

『老子』に「天地に仁なし。万物をもって趨狗(すうく)となす」とあります。趨狗は、わらの犬です。一見すると仁愛がないようにも見える天地の法則とは、因果応報の働きのことです。知らず知らず悪い原因を作ると、その因果応報がふりかかり苦しみとなるのです。ですが正しく活用すれば幸福創造装置ともなりえるのです。ふと気がつくと、否定的な想念を浮かべていたり、愚痴や不平不満を思っていることがありませんか?その状態がふつうの人の一般的な状態です。つまりほとんどの人はマイナス思考に支配されています。そのために運が開かず、自己実現できないのです。それが過度になると、マイナスが強くなりすぎて、うつ病になったりします。さらには、パニック障害、不安障害、恋愛依存、セックス依存、パチンコ依存などの依存症、そして、パーソナリティ障害や愛着障害もまた、思考の歪みが背景にあります。この事実を自覚し、「意識する自分」(ご主人公)を覚醒させて、自分の心の活動をもう一人の自分が自覚している状態を維持することが大切です。この状態をマインドフルネスといいます。マインドフルネスは訓練次第で習得できるものです。それが身につくと、人生や運命を自分の思い通りに創造していけます。努力は必要です。口ぐせを変えていくことで、それはできます。良いフレーズを自分用にたくさん用意しておき、心の空白ができたら、すぐにその背景に戻るようにしましょう。心にプラス想念の背景がたえずあり、目前の仕事や思考がすんだら、心はただちにその背景にたちもどり、そこに落ち着くように練習していきましょう。「すべてはうまくいっている」「どんどんよくなる」「なんとかなるなる」など、いろいろな言葉があると思いますが、自分に最適な言葉を自分専用の呪文にすると良いですね。マイナス想念は意識して除去し、プラス想念を意図的に心に浮かべる工夫を続けていきましょう。