ヒプノセラピー(催眠療法)は心理療法の一種

催眠療法とは、催眠状態となった患者が自分の潜在意識との対話を通じて、問題解決のためのヒントを導きだします。その中でも前世療法は、比較的新しい手法であり、催眠状態のまま、記憶をさかのぼり前世の世界を体験するものです。マインドフルネスやアファメーションでは何も改善しなかった方にもおすすめです。

目次

どうして悩みが解消するのか

前世療法を全世界に知らしめたのは米国の精神科医ブライアン・ワイス博士です。1988年にワイス博士が最初の前世療法に関する著書を出版してから、すでに二十年以上も経過しましたが、日本ではまだまだ取り組む医師は少ないのが現状です。人間の意識には通常、機能している表面の意識である顕在意識と、その背後にあって、無意識の領域をつかさどる潜在意識があります。無意識に行動している状態とは、潜在意識が活動している状態でもあります。
それは表面意識が沈静化している状態でもあります。潜在意識の活性化がある一定以上のレベルになったものが催眠状態(トランス状態)です。軽度の催眠状態であれば、誰でも日常生活で体験しているものです。それを意図的に深めるために、言葉の暗示やイメージを使い、深いレベルまで誘導することを催眠誘導といいます。その状態になると、心の自然治癒力が働きやすくなります。このとき、正しい誘導を行うことで、心の自然治癒力を最大限に引き出し、心身の問題解決をはかるのが催眠療法です。

催眠療法が効果を発揮する仕組み

もっとも基本的な催眠暗示療法では、良い方向づけをする暗示により、人の行動を変えようとしますが、これは一時的な効果しか維持できず、効果を長期的に保つには、何度も催眠暗示療法を繰り返さねばなりません。これに対し、退行催眠では過去の問題があった時点まで記憶をさかのぼり、その問題に取り組んで解決をめざすのですが、嫌な記憶を思い出すことは、良くない一面も持っています。その欠点を補ってあまりあるのが、前世療法という手法です。
前世という世界を体験する中で、問題を潜在意識の中で解決し、新しい光をあてるのです。この時、魂のガイドと呼ばれる存在が登場します。魂のガイドは、問題解決のアドバイスを与え、心の自然治癒力を引き出してくれます。
これは、セラピストの技量が大きく影響する手法でもあり、性格にガイドにつながれない場合には何の意味もないメッセージを受け取ってしまうことになります。

多数の症例経験を重ねて、現在の形に

催眠療法では、インナーチャイルドセラピー、サブパーソナリティセラピー、未来療法、未来世療法と、クライアントのかかえる問題に応じて、手法を使い分け、組み合わせ、治療の核である、「自分だけの現実」の変容・昇華を実現することで、結果的に現実を変えていくお手伝いをします。催眠状態となったあなたの口から、前世の物語が語られていきます。その物語は今生での人間関係をみごとに反映したストーリーですが、容易に予測できるような内容ではありません。まったく予期せぬ物語が飛び出し、それを語るあなた自身も驚きを隠せないのです。その前世での一生が終わると、深い洞察力であなた自身が、今抱える問題と前世の関係を読み解き、解決策をみずから手にします。それを助けるのが魂のガイドと呼ばれる高次の助言者です。誰の心の中にも現れる魂の守護者です。その存在との対話であなたは時に涙し、今生の生まれ来たれる目的、テーマを深く悟るのです。セラピーの後、生きることの意味、これからなすべきことが明瞭になったあなたは、生き生きとした魂の輝きを取り戻しています。来た時とは別人のような明るい表情で帰っていくあなたを私は見送ります。医師としての最大の喜びがここにあります。

催眠療法と前世療法の魅力

私はもともとは漢方を中心に内科診療をしていたのですが、東洋医学や心療内科と並行して研究していた催眠療法の魅力にとりつかれるようになり、もっと専門的に催眠療法で心身の癒しに取り組みたいと思うようになりました。それで、2009年に催眠療法・前世療法を専門に行うカウンセリングルームを立ち上げました。今日まで多くの患者さんの前世の物語をセラピストとして見聞する中で、魂の問題について、一定の法則性を見出すことができました。これまで、たくさんの方が前世を思い出すことで悩みを解決し、生き方を変えることができました。生き死にを超えたその法則を知ることが、悩みから開放される一番の近道です。死にたいと思っている人、人生を早く終わらせたいと思っている人にも、生きることの本当の意味に気づいて頂きたいと願っています。体の悩み、健康の悩み、人間関係の悩み、仕事の悩み、生きがいについての悩みなど、人はさまざまな問題で悩みますが、すべてに通じる魂の法則があります。前世療法があなたの心に新しい世界観、新しい視点をもたらし、理想実現の一助となるならば、これに勝る喜びはありません。催眠療法中に前世の世界が意識に浮かび上がってきたとき、その前世での名前や時代なども患者さんが思いだすことがあります。この現象を指して、「前世の言葉や時代がわかるのがおかしい」という批判をしばしば見かけますが、観察者としての現代の自分が同時に存在しているために、現代の自分から見ての時代背景や土地や名前などが意識のフィルターを通過して出てくるものです。

キリスト教圏の医師が前世療法を普及

ブライアン・ワイス医師やジョエル・ホイットン医師を代表として、世界中でたくさんのヒプノセラピストが前世療法を実践して多くの患者が癒されています。数千~数万の症例が記録され、中には、その前世の実在を否定できないケースが存在する事実に目を向けることこそ、科学的な探求の姿勢ではないでしょうか。前世療法の事例研究によれば、前世の実在を否定しがたい症例として、①ダム建設によって沈んでしまった現存しない町の名称を語った(古地図によって後に確認された)②夫婦で別個に催眠セッションをしたら両者ともアトランティス時代に出会っていた共通の場面が出てきた③一般には知られていない底だけが木でできた靴を描写した(後に木靴の存在を確認した)、④百年前に卒業した医学校の氏名と年代を語り実際に確認できたなどが報告されています。