因果応報の仕組み~出したものが戻ってくる

開運するために大事なことの一つが、善徳を積む生き方です。
拙著でご紹介した袁了凡が推奨する
善徳を積む十か条の中に、
「愛敬心に存す(あいけいこころにそんす)」
という項目があります。

愛というのは仁と同じ意味であり、
仏教でいう慈悲とも同義と考えてよいものです。

愛とは「人が幸せになりますように」あるいは
「人に喜んでもらえますように」
という思いのことであると考えて良いでしょう。

敬は、相手を敬う心であり、それが形に表現されると
礼節となります。礼節を守らないことは、
相手に対する敬意がないと伝えることになりますので、
人を不快にさせます。

こうした思いが心の中にいつもある人は、
「あの人は心が温かいね」と言われたりします。

生きている時に心が温かい人は、
生きながらすでに心は天国に住んでいます。

そんな人が死ぬと、生きている時のそのままの
温かい死後の世界に行くのです。

死後、霊界の天国あるいは
それに近い世界に行ける人は例外なく、心に愛がある人です。

愛を実践することは、善徳を積むことそのものですが、
具体的にどのようにすればよいのでしょうか。

仏教の教えの中にある「無財の七施」
がその道しるべとなります。
これは財を使わずにできる善事を七つまとめたものです。

個々の名称は、仏教各派で微妙に違うようですが、
以下の七種類です。身の回りから少しずつでも
実践していきたいものですね。

一、慈眼施(じげんせ) 思いやりをもって、慈悲の眼で人を見つめる。

二、和顔施(わげんせ) 和やかな表情で、人に相対する。微笑み、スマイルのことです。

三、愛語施(あいごせ) 優しい言葉、思いやりのある言葉、人を癒す言葉を発する。

四、捨身施(しゃしんせ) 自分が体を動かして行動することで人を助けてあげる。

五、心慮施(しんりょせ) 気配りのこと。相手の立場を理解してあげることでもあります。

六、床座施(しょうざせ) 席や場所を譲ること。

七、房舎施(ぼうしゃせ) 訪ねてくる人がいれば一宿一飯を施す。