霊界研究と丹波哲郎

丹波哲郎(1922年-2006年)さんのお宅を、ある芸能人が訪問する番組が以前にあって、その時に、丹波哲郎さんが家系図を開陳しておられました。その家系図によると、丹波哲郎さんの先祖には、丹波康頼という医者がいます。丹波康頼といえば、『医心方』を編纂した医者であり、『医心方』は中国の医学書も収録していて、その原本がすでに中国で失われている書籍も含まれています。『医心方』は漢方研究の分野では、とても貴重な医学書です。丹波さんは先祖代々、医者が多く出ている家の子孫なのです。

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丹波氏は劉備の親戚筋

丹波氏に改める前は劉芳氏といったそうです。平安時代における東洋医学の権威だったようです。丹波康頼は永観2年(984年)に『医心方』全30巻を編集し朝廷に献上しています。『医心方』というのは、現存する日本最古の医学書であり、きわめて貴重な文献なのです。そうした功績をもって朝廷より丹波宿禰姓を賜り、以来医家として連綿と続く丹波氏の祖となります。また、その家系図ではさらにさかのぼると、後漢の霊帝につながっているというところが驚きです。つまり三国志で有名な劉備玄徳の親戚筋にあたるわけで、丹波哲郎さんはすごい一族の末裔なのです。そして、始祖の名が「霊帝」というのもまた、すごいことです。霊にかかわる丹波哲郎さんの先祖が霊帝ですから、何かを暗示しているようでもあります。

丹波哲郎の思想を歌に

嘉門達夫さんの作詞、作曲された歌で、丹波哲郎さんが著書で主張されていることをすべてまとめて一曲にした「タンバでルンバ」があります。この曲では、丹波哲郎さんが、いつも著書ですすめていた、朝晩の守護霊様への挨拶を奨めたり、自殺すると天国にいけないと教えたり、人生は修業の場であると歌詞の中で語っています。おそらく、丹波哲郎さんの著書をかなり読み込んで、その主旨を理解してから製作された曲であることは間違いありません。この曲を聴くだけでも、かなり意識が変わるかもしれません。生まれ変わり死に変わりする輪廻転生の霊的世界観を知り、前世の意義についても考えさせられることでしょう。そして、良き来世をもたらすための極意を知ることでしょう。

霊界の実相を解く丹波哲郎の霊界問答

霊界とは今、生きている私達の心の中にあり、今がすばらしいものでないならば、死後に救いはないのです。ですから自殺は罪であり地獄に堕ちます。苦難とは試練であり、乗り越えてこそ、意味あるものなのです。どんなことがあっても自殺はいけません。生きて乗り越えるべきです。そして、心を明るく素直に温かくすることが、天国にいく道です。丹波哲郎さんは、よく「運命はきまっているから、じたばたしないで感謝して生きていくべき」と語っておられました。丹波哲郎さんの輪廻転生についての考え方は、前世での宿題を仕上げるための生まれ変わり。というものでした。前世のカルマ、因果が果たされるべく生まれ変わるというのです。この考え方では何の問題もない人はなぜ生まれ変わってくるのか判然としません。運が良く、家庭運もよく、金運に恵まれ、人生をすいすいと健康に生きる人もいます。一見、マイナスのカルマのないこれらの人々の生まれ変わりの理由が丹波さんの言葉では説明がつかないのです。

進化し続けるため生まれ変わる

もっとも丹波さんは真髄をわかっていたと思います。庶民レベルにまで咀嚼して説かれていたのでしょう。実は、生まれ変わる必要がすでにない魂もこの世には生まれ変わってきています。けっこうたくさんの魂がそうやって生まれてきます。彼らは、みな「救世の発願」をもって生まれてくるのです。多くはこの世で、人を救うために特別に立志して生まれてきます。こうした魂は前世ですでに修業を終えているので、格別、宗教に凝ったり、精神世界を探求したりしません。すでにわかっているからです。そのかわり、具体的に勉強をして、世の中に益する活動をどんどんやっていきます。それだけの行動力のパワーがあるし、また、運勢もあるので、道が開いて行くのです。