愛着障害と退行催眠

両親からの愛情を十分に受けられない状態で育つと、その人は、人生を幸せに生きることが難しくなり、なんらかの問題をかかえます。恋愛などの男女関係、職場や学校などの人間関係で、苦労をしがちです。

結婚できない、恋人ができないなどの悩みや、うつ、不安、パニックなどの病的な状態になったり、不登校、引きこもりになる人もいます。どういう状態が愛情不足なのかというと、第一に、両親またはどちらか一方の親が、子供が愛情を求めているのに反応せず、積極的に子供をけなしたり、拒否したりする状態です。これは、子供が母親や父親の膝やすそなどにまとわりつこうとして近づいた時に、それを親がふりはらったりする行為です。あるいは、離れた場所から子供が、呼び声で「お父さん」「お母さん」と呼びかけて微笑んだりする愛情の発信を行っているにもかかわらずそれに応じず、視線を合わせない、聞こえないふりをするなどの仕打ちを、日常的に行う行為です。

こういう仕打ちを親から受けた人は意外と多いのです。そして、それが「自分の人生を幸せなものにしていく」力を奪っていくのです。第二に子供を支配するために「もう愛さない」「もう遊んであげない」「もう○○してあげない」と言って脅す行為があげられます。特に子供が悲しんでいたり、おびえていたり、喘息など病気の時に、「ここでやさしくするとつけあがる」などといって、助けたり励ましたりするのをやめる行為です。そのほか、まだ判断力のない子供に「そんなことは自分で考えろ」などと、突き放すこともきわめて甚大な悪影響があります。こういう仕打ちを親からされ続けると、その人は、いつも人に気にいられようと行動したり、常に罪悪感を持ち続けるようになります。催眠療法ではこの状態をインナーチャイルドが傷ついた状態と呼んでいます。愛着障害と同じ意味をもちます。そして、退行催眠によって、その幼児期の意識を慰めて癒すのですが、そのときに、なぜ、親からそのような仕打ちを自分が受けなければならなかったのかという問題に直面することがあります。その解決に役立つのが前世療法です。前世での対人関係を知り、因果応報に基づく、輪廻転生の仕組みを悟るのです。